「スポーツファーマシスト」…聞いたことはあるけど、実際どのような活動をしているのか詳しくは知らないという人はいませんか?
2020年の東京オリンピックに向け、注目が集まっている「スポーツファーマシスト」について詳しくお話ししていきたいと思います。
スポーツファーマシストとは?
スポーツファーマシストとは、最新のアンチ・ドーピング規則に関する知識を持つ薬剤師を指します。
薬剤師資格を持つ方が、日本アンチ・ドーピング機構が定める所定の課程を終了した後に認定される資格制度です。
ドーピング防止が主な目的であり、そのために薬に関する教育・指導に取り組んでいます。
スポーツファーマシストになるには?
薬剤師資格を持っている方であれば、誰でもスポーツファーマシストの資格を取得することができます。
まず、日本アンチ・ドーピング機構が定める、基礎講習と実務講習を受講します。
その後、知識到達度確認試験に合格したらスポーツファーマシストとして認定されます。
知識到達度確認試験はパソコン上で受験し、試験自体は非常に簡単です。
認定後は4年間有効ですが、資格維持として、毎年実務講習(e-ラーニング)を受講する必要があります。
また資格の更新は、有効期限中の4年目にあたる年に、基礎講習と実務講習を受講し、知識到達確認試験の合格が必要です。
受講料:7,400円
認定料:20,500円 |
スポーツファーマシストの仕事内容は?
スポーツファーマシストはドーピング防止が主な目的であり、スポーツ選手への薬・サプリメントの相談やアドバイスを行っています。
風邪薬や栄養剤にドーピング対象成分が含まれていないかを判断し、日本に多いと言われているうっかりドーピングを防ぐことで、ドーピング検査に引っ掛かる選手を出さないことがスポーツファーマシストの役割なのです。
例えば、処方された2種類の薬がドーピング対象成分でなくても、体内での化学反応によりドーピング対象成分が生成されるケースも考えられます。
これは、医師でさえも気付かない処方であり、スポーツファーマシストの腕の見せ所です。
スポーツ現場には、スポーツファーマシストの活躍の場がたくさんあります。
国体に向けての医薬品情報の提供や薬の相談、アンチ・ドーピング活動として、スポーツ選手及び指導者を対象に、講演などの啓発活動も行っています。
また、プロのスポーツチームと契約し、そのチーム専属のスポーツファーマシストになる、という活躍の場もあります。
そうすることで、常に選手の薬関係を管理し、いつでも相談を受けることが出来ます。また、チーム専属のドクターと共に処方内容を検討することもあります。
スポーツファーマシストは選手の身近な相談役として、選手をドーピングから守る重要な役目です。
スポーツ選手生命を左右する重要な判断が求められるため、日々の勉強は欠かせません。
ですがその分、選手達から感謝される機会が多いため、やりがいを感じることが出来るでしょう。
スポーツファーマシストの給料は?
スポーツファーマシストの資格を取得したからといって、給料が大きく変わることはありません。
病院や薬局勤務の場合、取得後に仕事内容が変わるわけでもありません。
ですが、薬剤師として成長を怠らない姿勢をアピールできるものになるでしょう。
スポーツファーマシストの求人は?
スポーツファーマシストの資格を活かせる職場は、スポーツ選手が受診する病院・薬局・ドラッグストアや、スポーツドクターがいる病院やその門前薬局などです。
ですが、実際にそのような職場を自分で探すのは難しいとともに、スポーツファーマシストとしての求人は少ないのが現実です。
そんな時こそ、薬剤師転職サイトを利用して、コンサルタントに希望する職場を見つけてもらいましょう!
詳しくは、薬剤師転職のページを見てみてくださいね。